¥3,500
2019年
21 × 14.8 cm
80ページ
ソフトカバー
執筆:フィオナ・タン
デザイン:Gabriele Franziska Götz
発行:Museum Ludwig / Verlag der Buchhandlung Walther König, Cologne
Artist Book
ISBN:978-3-96098-599-0
英語 / ドイツ語
English / German
2019年にドイツ・ケルンのルートヴィヒ美術館で行われた個展『GAAF』に併せて制作されたアーティストブック。展覧会名にもなっているインスタレーション作品《GAAF》は、Agfa社(当時、写真用品を主に製造していた)の広告用に撮影された数千枚の6×6フォーマットのカラーネガから着想を得ている。このアーカイブは、広告、パンフレット、展示会、雑誌「Agfa Photoblätter」などに使用され、約40年間未整理のまま保管されていた。
《GAAF》というタイトルは、Agfaの文字を並べ替えたもので、オランダ語で「きちんとした」や「完璧」という意味を持つ。タンは、これらの理想化された広告写真が「演出された自然さ」を装いながらも人工的に構築されている点に注目し、広告の幻想と現実の対比を考察した。また、同時代の記録写真を並置することで、戦後ドイツにおける経済復興期の理想と現実のコントラストを描き出している。
本書では、《GAAF》制作の過程でのタンの思索が記録された、時間、アイデンティティ、記憶に関するエッセイを収録。写真と映像の境界をぼかしながら、ポートレートや時間の認識を問い直す彼女の視点が展開されている。